なじめばきまま Written by Fukutaro Sugiyama

猫の去勢のメリット・デメリット【オスの鳴き声にも効果あり】

オス猫の場合、ほとんどの飼い主さんが「去勢手術」をします。

去勢することにはどんなメリットがあるのか、逆にどんなデメリットがあるのかについてまとめてみました!

猫の去勢が初めての経験なら、この記事を読むだけで大体の想像ができるようになりますよ。

猫を去勢することのメリット


猫を去勢させることによって圧倒的なメリットを得られるので、1つ1つご紹介していきます。

性欲を果たせないストレスが消える

猫は早くて、生まれてから半年で交尾ができる状態に成長すると言われています。

オス猫の場合は、発情したメス猫に出会ったり、メス猫の鳴き声を聞いただけでも発情することがあります。

環境さえ整ってしまえば、いつでも交尾できるのがオス猫の特徴とも言えるでしょう。

一度発情したオス猫は特徴的な大きな声で鳴いたり、「スプレー行動」と言われる、尿をあちこちにかけるマーキングをするようになります。

しかしながら完全に室内飼育されているオス猫の場合、発情したメス猫に出会う機会はありません。こうした状況は発情したオス猫にとって大きなストレスとなります。

去勢手術をすることによって、こうした性欲を果たせないストレスをなくすことができるのです。

オス猫特有の問題行動を減らせる

  • 発情期に出す大きな声で近所迷惑にならないか心配。
  • スプレー行動のせいで家中がおしっこくさくて困っている。
  • 発情すると攻撃的になりケンカばかり。
去勢手術によって、こうしたオス猫の問題行動とされているものの90%程度は減らすことができます。全くなくなったという猫ちゃんもいるほどです。

しかし、去勢されたオス猫の10%には、オス猫としての行動が残っていると言われており、去勢したのに、突然大きな声で鳴き始めたり、スプレー行動やマウンティングなどの行動を見せるという話はよく聞かれます。

個体差があるということですね。ただし減るのは事実です。

去勢する時期を見極めることで減らす可能性を高めることができるようですが、明確にわかっていないことも多いようです。

病気の予防

去勢手術によって、病気の予防が期待できます。

猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)

発情がなくなるので脱走やケンカが少なくなります。

そうすることで他の猫との不必要な接触を避けられますので、感染症にかかるリスクをグッと低下させることができるというわけです。

精巣腫瘍・乳腺腫瘍を予防できる

去勢手術によって精巣を取り除くので、精巣腫瘍を予防できます。

乳腺腫瘍はメス猫に多いですが、オス猫でも乳腺腫瘍になることがあります。

去勢手術によってホルモンの分泌が変化するので、乳腺腫瘍になる確率も低下します。

野良猫が増えるのを防げる

どんなに厳重に室内飼育していたとしても脱走の可能性はぬぐえません。
発情期のオス猫の行動力はとても高く、時として想像を超える行動をしてくることもあります。

猫の妊娠率は非常に高く、1度の交尾で妊娠することは珍しくなく、数頭の子猫が生まれます。

飼育できなくなれば、待っているのは野良猫か殺処分という道でしょう。

こうした可能性をなくすことができるのも去勢のメリットと言えます。

猫の去勢のデメリット

生涯繁殖ができない

去勢により生殖機能をとってしまうことになるので、当然のことですが繁殖できません。

1度去勢をしてしまうと元の身体には戻せなくなりますので、繁殖を少しでも考えているならよく検討し、いつするのか計画的に物事を運びましょう。

肥満になりやすい

ホルモンの影響や発情行動をしなくなる影響でエネルギー消費が少なくなるので、太りやすくなります。

あなたが猫ちゃんの体調をしっかりと管理することで肥満は防げるので、去勢手術を受けた後は十分注意して猫ちゃんを見守ってあげてくださいね。

手術前よりご飯の量を減らし、猫じゃらしでよく遊んであげることによって摂取カロリーと消費カロリーのバランスが保てます。

去勢手術をした猫ちゃん専用の低カロリーキャットフードなども市販されているので、導入を検討するのもいいかもしれませんね。

手術のリスク

去勢手術は全身麻酔を使って行うので、どうしても猫ちゃんの身体に負担を与えてしまいます。

ですが技術の進歩のおかげでほとんどの場合は問題なく手術が成功します。

絶対安全とは言い切れないですが、猫ちゃんの体調を整え、術前検査を実施することにより限りなくリスクを低めることができます。

去勢手術の流れ


去勢手術は技術的に簡単で非常に短時間で終わる手術です。早い獣医さんだと手術そのものは10分で終えます。麻酔時間も含めると1時間で終了するでしょう。

まずは動物病院に相談

まずはかかりつけの動物病院に去勢手術を相談してみましょう。

猫ちゃんの体調や手術の日時、麻酔がかけられるかの検査があります。

獣医さんによって手術の実施時期は違ってくるので、猫ちゃんの年齢を把握しておくのが大切です。

去勢手術をしてもらう

手術できることがわかり手術の予約をしたら、当日動物病院に連れて行きます。

「前日から絶食してください」などの指示があるので、獣医さんの指示を守るようにしましょう。

去勢手術はオス猫の精巣を取り除く手術になります。

全身麻酔の後、精巣を包む皮膚を切開し、2つの精巣を切除。止血をして切開した部分を糸で縫合して終了です。

オス猫の場合は日帰りで帰ってこられることが多いですが、術後の観察のために1日入院してから帰宅することもあります。退院後は1日1回傷口の確認をして、問題がなければ去勢手術完了です。

去勢手術の後の注意点

猫ちゃんが傷口を舐めたり噛んだりしていじらないように、エリザベスカラーを装着する必要があります。

術後2日くらいは元気や食欲がなかったりしますが、ご飯は普段通りで大丈夫です。1週間ほどで落ち着いてくるので、それまでは外に出したりシャンプーをしないのがオススメ。

猫の体調が一向に戻らない等の異常がある場合や心配な点がある場合には、すぐに動物病院に連絡してくださいね。

そのほかの細かな注意点については退院時に説明してくれると思いますので、しっかり耳を傾けましょう。

オス猫の去勢手術についてのまとめ

メリット

  • 性欲を果たせないストレスが消える
  • オス猫特有の問題行動を減らせる
  • 病気の予防
  • 野良猫が増えるのを防げる

デメリット

  • 生涯繁殖ができない
  • 肥満になりやすい
  • 手術のリスク

去勢手術はイエネコとして人間に飼われている猫ちゃんに多くのメリットがあります。

同時に手術のリスクも伴いますので、実施については家族、獣医さんとよく相談してから納得のいく決定をしましょう。

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