野良猫は去勢すると耳をカットされる【どうして?痛くないの?】

街を歩いていると時折すれ違う野良猫たち。
よーく見てみると耳の先が切れている猫ちゃんがいることに気がつきます。

「ケンカして切れてしまったのでしょうか?」「誰かが虐待!?」

実はふかーい理由があったんです。
この記事を読めば野良猫ちゃんたちに対する見方が変わりますよ。

野良猫は去勢すると耳をカットされる

耳の先がカットされた猫ちゃんは「避妊・去勢手術が済んでいる」という大切な目印なんです。

単に野良猫同士のケンカで耳が切れてしまったという猫ちゃんもいますが、綺麗にV字に切れている猫ちゃんは去勢手術が済んでいる証拠ですね。

こうして野良猫に去勢手術をして耳の先をカットすることを「耳カット」と呼び、地域のボランティアによって管理されている猫でもあります。

「さくらねこ」と親しみを込めて呼ぶことも

V字にカットされた耳が桜の花びらに似ていることから、去勢して耳カットされた野良猫のことを「さくらねこ」と呼んでいる人たちもいます。

なんとも日本らしい呼び方ですね。

「さくらねこ」なんて呼び方されると野良猫に対する印象が180度ガラリと変わってしまいますね。

耳カットされるということは、野良猫をしっかり管理しているという証拠です。

こうした活動は「TNR活動」と呼ばれています。

Trap(トラップ):捕獲
Neuter(ニューター):不妊手術
Return(リターン):猫をもとの場所に戻す

これらの頭文字をとって「TNR」です。

どうして野良猫を去勢する必要があるの?


その理由は「野良猫に関する苦情を減らし」「猫の殺処分を減らす」ためなんです。

悲しい現実として今もなおたくさんの罪なき命が殺処分されています。

年々減少傾向にはあるものの、いまだに1年間に3万4854頭の猫ちゃんたちが殺処分されているんです。
(平成30年環境省調べ)

興味深いことにその内の2万1611頭はまだ乳離れもしていない子猫でした。

せっかく生まれてきたのにすぐに殺されてしまうなんてとても悲しいことです。

野良猫が望まない妊娠をせず、生まれた子猫が殺処分されないためにも、この活動が必要というわけですね。

耳カットすれば去勢が済んでいるか判断できる


耳をV字にカットすれば、その猫が去勢済みか一目で判別することができます。

去勢手術をしたのにも関わらず、もう一度捕まえられて「あれっ、この猫ちゃんもう去勢されてるじゃん」なんてことを避けることができるんですよ。

何度も捕まえられて手術をされそうになるなんて猫にとっては大きなストレスとなりますよね。
このような事態を避けるためにも、耳カットが大きな役割を担っているのです。

ちなみに、右耳がカットされていたり左耳がカットされていたりする場合があります。

獣医さんによってオスは右耳に、メスは左耳になんて区別していることもあるようですが、明確な基準はないようです。

他にも、耳カットではなく耳に小さなピアスをつけていたり、耳の中に入れ墨をしていたこともありました。

しかしピアスだと、どこかに引っ掛けて無くしてしまう可能性があり、入れ墨だともう一度捕まえて耳の中を見ないとわかりませんでした。

こうした背景があり、今では耳カットが一番合理的な方法として推奨されているのです。

耳カットされると痛くないの?

痛みは感じません。なぜなら耳カットは去勢手術で全身麻酔をかけている最中に同時に行われるからです。

「耳を切られるなんて痛そう」と思う方もいるかもしれませんが、出血もほとんどなく、もし出血した場合であってもしっかりと止血をした後に猫を元いた場所に開放してあげるので、猫にとって大きなストレスとなることはありません。

真面目に殺処分ゼロを目指し、手間とお金を出してでも猫に生きて欲しいという思いが「さくらねこ」の背景にはあるのでしょう。

じっさい殺処分されている猫が減っているという事実はこの活動の効果を表しているのかもしれませんね。

耳カットされた猫は飼っちゃダメなの?


耳カットされた猫でもイエネコとして飼うことができます。

管理されているとはいえ野良猫であることに変わりはないので、保護して飼うことは何の問題もありません。

むしろイエネコとして飼われ、健康診断や予防注射など責任を持って飼われた方が猫としては幸せなのかもしれません。

耳カットされていたとしても、あたたかい家庭に迎え入れてあげてくださいね。

野良猫が去勢されると耳カットされることのまとめ

  • 避妊・去勢手術が済んでいる証拠として耳カットをしています。
  • 野良猫に関する苦情を減らし、猫の殺処分を減らすためにもこの活動が必要です。
  • 耳カットをすれば、不必要な手術を避けられます。
  • 耳カットされた猫でも飼うことができます。

増えすぎてしまった野良猫をどうしていくのか?という問題を解決する責任は人間の側にもあるのかもしれません。

多くの猫が生きていくために、私たちがこうした知識を身につけることも保護活動の一歩なのかもしれませんね。