【遺伝】猫のしっぽはなぜ短いのか?日本に多い理由とは?
猫というと大体しっぽが長い猫が多いですが、日本にはしっぽが短い猫がとても多いですよね。
生まれつきしっぽが短いのでしょうか? それとも事故によって短くなった?
この記事では、しっぽの短い猫ちゃんにスポットライトを当てて詳しく解説していきます。
しっぽの短い猫ちゃんを飼っている方にとっては、愛猫のことをより詳しく知るチャンスですね。
猫のしっぽはなぜ短いのか?
もちろん事故等でしっぽが短くなってしまった猫ちゃんもいると思いますが、しっぽが短い猫の多くは生まれつきなのです。
しっぽを短くする遺伝子は3つあるとされています。
- T-Box遺伝子の変異
- HES7遺伝子の変異
- 第3の遺伝子(まだ見つかっていない)
順番に解説していきます。
T-Box遺伝子の変異
「マンクス」のようにしっぽが短い、またはしっぽがないという猫が持っているのはT-Box遺伝子が変異したものだと分かっています。
しかし、T-Box遺伝子は「ジャパニーズ・ボブテイル」のしっぽが短いという形との関連性はありません。
ですから、日本猫のしっぽが短い原因はほかの遺伝子によるものなのです。
HES7遺伝子の変異
「ジャパニーズ・ボブテイル」などのように、しっぽが短い(短いと言っても長さはさまざま)猫は、正常なHES7遺伝子と変異したHES7遺伝子を1コピーずつ持っています。
HES7遺伝子をもつ猫は、インドネシアやマレーシアなどの東南アジアが原産地だと考えられていて、これがのちの日本猫のしっぽにも影響してくるのです。
日本の歴史については後ほど扱います。
第3の遺伝子
中国のしっぽが短い猫の中には、T-Box遺伝子の変異もHES7遺伝子の変異も持っていない猫が見つかっています。
研究者たちはこの結果から、「猫のしっぽを短くする別の遺伝子があるんじゃないか?」と考えているようです。
もしかしたらあなたの猫ちゃんも、まだ解明されていない第3の遺伝子を持っているかも、、、
日本猫のしっぽが短いのはなぜか?
日本猫のしっぽが短い理由は、日本の歴史と深〜い関係があるんです。それでは江戸時代までタイムスリップして、猫と日本の歴史をかいま見てみましょう。
東南アジアから船に乗ってやってきた
江戸時代、鎖国をしていた日本。
長崎県の出島ではオランダと交易をしていたのをご存知でしょう。
「どうして船に猫が乗っているの?」
理由はいくつかあるようで、
- 航海中に、荷物をネズミにかじられるのを防ぐために、現地から長崎まで船に猫をのせる
- 猫は航海を守ってくれる守り神だった
このようにして日本に渡ってきた猫が、そのまま長崎に住みつくようになったのがきっかけで
日本にしっぽの短い猫が増えた可能性が高いと言われています。
江戸の人々が「猫又」を恐れたから
江戸の人々は「猫又」を恐れ、「しっぽの長い猫ほど猫又になる」と信じていたようです。
猫又とは、猫の妖怪のこと。猫が年をとるとしっぽが2つに分かれ、踊り出し、しまいには人間を襲って食べると言い伝えられていました。
短いしっぽの猫は猫又にならないと信じられていたんですって。
「なんだ、それ1?」って話ですよね。
でも江戸の人たちは信じて疑っていなかったので、しっぽの短い猫を好んで繁殖させていたということです。
時代の流れとともにこの猫又伝説も風化していき、明治から大正に変わる頃には、しっぽの短い猫を好む傾向も薄れていきました。
今ふたたびの猫ブーム
江戸時代に起こった猫ブームは、時を超えてふたたびブームを起こしています。
SNSでは毎日猫の画像がアップされ、さまざまな猫グッズが飛び交い、多様化した社会では、オアシスのように猫に癒しを求める人も。
今の世界には、どんなしっぽが短い猫たちがいるのでしょうか?<
しっぽが短い猫の種類
しっぽが短い猫4種類をご紹介します!
- ジャパニーズボブテイル
- アメリカンボブテイル
- クリルアイランドボブテイル
- マンクス
ジャパニーズボブテイル
日本を原産地とする猫の種類で「日本猫」としても有名。
ボンボンのような短く丸いしっぽが特徴で、短毛です。
日本猫を気に入ったアメリカ人が繁殖させ、1976年にCFAで猫の種類として正式に認定されました。
アメリカンボブテイル
野生的な外見を持つ、アメリカ原産の猫。
ある夫婦がアメリカで見つけた猫をベースとして、長毛種の猫と交配させることで誕生したしっぽの短い猫です。
ジャパニーズボブテイルとは遺伝子が異なります。
クリルアイランドボブテイル
千島列島(ロシア名:クリル列島)を起源とする、突然変異によって生まれた猫。
ガッチリとした体と長毛、そして短いしっぽが特徴的。
ジャパニーズボブテイルとは遺伝的な類似があるものの、全く別の種類だそうです。
マンクス
イギリスのマン島で突然変異として生まれた、しっぽが無いまたは短いとても珍しい猫。
島という閉ざされた環境な中で、遺伝子が固定され島に定着したものだとか。
繁殖がとても難しく、マンクス症候群という特有の遺伝病もあるため、滅多に見ることができない猫種です。
しっぽが短いと不便じゃない?
高いところに飛び乗ったり、幅の狭い場所を歩くとき、猫はしっぽを使ってバランスをとっています。
しっぽの短い猫でも、ヒョイヒョイと塀の上を歩き回る姿を目にすることがありますが、
「しっぽの短い猫はどうやってバランスをとっているの?」と疑問に思います。
その答えは、、、
そのため、後ろ足の筋肉を発達してがっしりしているのも、しっぽの短い猫の特徴の1つといえます。
しっぽの長い猫と比べて、 デメリット:子猫の時は高いところに飛び乗ったりするのが遅い メリット:後ろ足の筋肉が強いので、木に登っても後ろ足で踏ん張りながら上手く降りることができる
猫なりに工夫しながら生きているので、心配はないですね。
しっぽの短い猫まとめ
- しっぽの短い猫は、遺伝子による影響です。
- 日本にそうした猫が多いのは、江戸時代からの歴史と深い関係がありました。
- 猫はしっぽが短くても、後ろ足の筋肉が強いので、生活に支障はありません。
長崎県ではほとんどの猫のしっぽが短いまたは折れ曲がっているので、しっぽの長い猫のことを外来種だと思っているとか、、、
世界的に見ると、しっぽの短い猫はとっても珍しいので、もし飼っていたら大切に可愛がってあげてください。
長いしっぽもいいですが、短いしっぽも独特の魅力があっていいですね!
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