猫に玉ねぎが絶対NGな理由【メカニズム解説します。】
「猫に玉ねぎを食べさせるとタマネギ中毒になるって知ってるけど、その理由を詳しく知らないな…。いったい何がどうなってるの?」
こんな疑問に答えます。
「タマネギ中毒」は、最近になってわりと有名ですよね。
でも、何がどう危険なのか?知らない飼い主さんも多いのではないでしょうか。
本記事の内容
- 猫に玉ねぎを食べさせてはいけない理由
- タマネギ中毒のメカニズム・症状
- 猫が玉ねぎを食べてしまった時の対処法
上記のトピックを扱っています。
猫に玉ねぎは絶対に食べさせたらダメ!その理由とは?
猫が玉ねぎを食べてしまうと「タマネギ中毒」を引き起こすからです。ここまでなら、聞いたことある!という方も多いはず。
中毒とは?
猫に対して毒性をもつ物質が、体内に取り込まれることにより、正常な機能がじゃまされること。
たとえば「タマネギ中毒」は、猫の赤血球の機能を邪魔してしまいます。
結果として、猫に悪影響をおよぼし、最悪のケースとして死に至ることがあるのです。
「タマネギ中毒」を詳しく解説します。
具体的にどんなメカニズムでタマネギ中毒になるのでしょうか?できるだけ分かりやすく解説。
原因物質
原因はネギ類に含まれる「有機チオ硫酸化合物(ゆうきちおりゅうかかごうぶつ)」という、なんやらよく分からない物質です。
この有機チオ硫酸化合物は、下記の2つに影響します。
・赤血球に含まれるヘモグロビン ・赤血球の膜に含まれるタンパク質
それぞれを解説していきます。
↓↓↓赤血球の形のイメージです。
赤血球のヘモグロビン編
- 有機チオ硫酸化合物が赤血球に含まれるヘモグロビンを酸化させる。
- 酸化により、「ハインツ小体」という変な形の赤血球が作られる。
- 「ハインツ小体」という異物があるので、猫の体は異物を取り除こうとする。(すい臓や肝臓や骨髄で捕まえられたり、マクロファージという細胞が消化する)
- 「ハインツ小体」になって取り除かれた分、赤血球が減ることになる。
- 猫が貧血になる。
赤血球の膜編
- 有機チオ硫酸化合物が赤血球膜に含まれるタンパク質を酸化させる。
- 酸化により、「Eccentrocyte(エキノサイト)」という変な形の赤血球が作られる。
- 「Eccentrocyte(エキノサイト)」という異物があるので、猫の体は異物を取り除こうとする。(すい臓や肝臓や骨髄で捕まえられたり、マクロファージという細胞が消化する)
- 「Eccentrocyte(エキノサイト)」になって取り除かれた分、赤血球が減ることになる。
- 猫が貧血になる。
タマネギ中毒によって、赤血球が破壊されてしまうので、猫は貧血(赤血球が減った状態)になってしまうのです。
異常な形の赤血球が破裂する場合もある
ハインツ小体やエキノサイトは、血管を流れている間に形を維持できなくなり、破裂(溶血ともいう)することもあります。
破裂による貧血を溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)といいます。
破裂した赤血球から出てしまったヘモグロビン(赤い色素)が尿となると、赤い尿(血尿)となります。
また、ヘモグロビンは黄疸(おうだん)の色素の原料でもあるので、あとから黄疸が見られることもあります。
タマネギ中毒の症状は?
前述したとおり、根底にあるのは貧血です。
とはいえ、貧血にともなうさまざまな症状も見逃したくはありません。
初期に見られる症状
・ぐったりして元気がない ・食欲がない ・吐き気 ・嘔吐 ・下痢
中度〜重度に見られる症状
・発熱 ・ふらつく ・心拍数の増加 ・赤っぽい尿(血尿) ・黄疸(皮膚や粘膜が黄色い) ・意識障害・倒れる(場合によっては死亡)
猫が玉ねぎを食べてしまった時の対処法
すぐに動物病院で診察してもらいましょう。
玉ねぎ中毒の解毒剤は存在しません。
薬を飲んでも治らないということです。
ではどうするのか?
玉ねぎを物理的に取り除くしかありません。
吸収される前、胃のなかに残っている場合は、薬を使って吐かせることができます。それが難しいときは、麻酔をかけ胃洗浄を行うことも。
体に吸収されてしまった場合は、輸血などの処置をすることもあるようですが、これはかなり重症の場合です。
とにかく時間が命
症状が出ていなくても、量が少量であっても、
すぐに動物病院へ連れて行ってください。
夜間でも、救急病院へ連れていくぐらいの心構えが必要です。
加熱しても消えない危険性
むしろ危険が増す
煮たり蒸したりすることで、中毒成分がほかの食材に移ってしまうことから、さらに危険性が増す可能性があります。
こんなケースも
タマネギと豚肉をいっしょに煮込んだスープをあげたところ、タマネギ中毒を発症した例もあります。
どのように調理しても、危険性は変わらないことを覚えておいてください。
どんな形態の玉ねぎも危険!
カレー、野菜炒め、ハンバーグなどなど、
本当にたくさんのメニューに玉ねぎが使われていますね。
生、加熱、パウダー、エキス、さまざまな形態がありますが、
ぜひ気をつけてくださいね。
まとめ:猫にネギは絶対に与えてはいけません。
「タマネギ中毒」がなぜ猫にとって危険か、ご紹介してきました。
NGな理由を詳しく知ることで、「猫には絶対に玉ねぎを食べさせないようにしよう」という決意が強まったのではないでしょうか。
ぜひ周りの猫好きさんにもシェアしてあげて、みんなで猫の健康を守っていきましょう!
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