【猫の病気】肛門嚢炎とは?【破裂するギリギリでした】
「猫の肛門嚢炎(こうもんのうえん)ってどういう病気なの?」
「最近、猫がお尻を気にしている様子…」
同じような症状で気になっている方や、肛門嚢炎について知りたい方は、どうぞご参考になさってください。
※特定の治療法や病気を自己診断するための記事ではありません。あくまでも獣医さんに症状を説明するときの参考としてお読みください。
【猫の病気】肛門嚢炎とは?【病気のこと/症状】
犬ではよくある病気ですが、猫ではわりとまれな病気のようです。
まずは、肛門嚢ってなに?
猫には、肛門の左右に肛門嚢という袋があります。
この袋にはくさーい分泌液がたくわえられています。
そして猫がウンチをするときなど、この肛門嚢から分泌液が排出され、ウンチに自分のニオイをつけるのです。
これがいわゆるマーキング。
分泌液は悪臭のあるバラエティに富んだ液体
この分泌液は、サラサラの液状であったり、トロッとしたペースト状であったり、ドロドロの粘土状であったりと、さまざまです。
さらに色も、薄い黄色から、黒茶色、灰色と、とてもバラエティに富んだ液体なのです。
ちなみにミーちゃんの分泌液は、黒茶色のペースト状でした。
正直に言ってしまうと、ちょっと汚い液体。
ニオイもマーキングに使われるくらいなので、かなり強烈!魚の腐ったような、なんともいえない鼻にツーンとくる香りがします。
肛門嚢炎の進行プロセス
ざっくりいうと、分泌液がどんどん溜まってしまい炎症を起こします。
最悪、肛門嚢が破裂してしまう恐ろしい病気です。水風船を膨らませすぎて破裂するのと同じですね。
進行プロセス
- 分泌液がなんらかの理由で体外へ排出されなくなる
- たまった分泌液の中で細菌が繁殖
- 細菌を除去しようと免疫が活性化(炎症を起こす)
- 放置されると、どんどん膿(うみ)がたまり続ける
- 限界を超えると、皮膚が破けて破裂する
ミーちゃんの場合、肛門嚢が破裂する寸前ギリギリでした。
肛門嚢炎の主な症状
ミーちゃんの場合は下記のような症状がありました。
- ウンチが出にくい
- お尻の周辺を触ると痛がる
- 肛門の右側が赤く腫れていた
- 痛みで明らかに元気がなくなる
上記のとおり
異変が確信に変わったのは、いつもより明らかに元気がなくなっていたからでした。1日中ずーっと寝たっきりでほとんど動こうとしないのです。
「もしかしたら死期が近いんじゃ、、、」と感じたほど。
どうしたんだろう?と感じたので触って調べてみたところ、肛門の右側が赤く腫れ上がっているのを発見!確実に異常だとわかったので、すぐ動物病院に連れていきました。
ほかにも症状として下記のようなものがあります。
猫の肛門嚢炎の主な症状
- 突然走り出す
- お尻を気にする
- 痛みで鳴きわめく
- お尻をこするように歩く
上記のとおり、猫はかなりの痛みを感じているようです。
異常を感じたら、なるべく早く動物病院で診察してもらってください。
猫の肛門嚢炎の原因
猫の肛門嚢炎の原因は、下記のようなものが考えられます。
・分泌液を排出する管が目詰まりしてしまう ・慢性的な軟便や下痢を起こしている ・分泌液を排出する筋力が弱い ・肥満や運動不足
猫の肛門嚢炎の治療のしかた
破裂ギリギリまで溜まってしまったミーちゃんの場合
- 麻酔をかける注射を刺される
- 外側から針のようなもので肛門嚢に穴を開ける
- たまった膿を手で絞りだす
- 空っぽの肛門嚢に軟膏をいれる
- 麻酔を覚ます注射を刺される
- 抗生物質の注射を刺される
動物病院での治療は上記のとおりです。
これらの治療をしてもらい、料金は12000円でした。
麻酔がわりと高いらしく、それに加えて抗生物質と合計3本も注射をされているので、このくらいの値段になってしまうようです。
膿については、かなりたまっていたらしく。ビシャーとかなりの量の分泌液が勢いよく飛び出してきましたよ。
なかには白い固形物もあって「これは珍しいですね。普通はこんな固形物はないんですがね…」と獣医さんも言ってました。
気づいてやれなくてごめんよ、、、
ここまでひどくない場合は肛門絞り
肛門嚢にたまった分泌液を肛門絞りにより排出します。
肛門絞りのやり方
- 肛門の下、4時と8時の方向を指でつまみ、ギュッとにぎる
- 分泌液がピュッと勢いよく飛び出す
かなり臭いのでシャンプーのついでに行うのが効率的。
繰り返す場合には摘出手術で取り除く
何回も繰り返しぶり返すようなら、肛門嚢自体を手術で切除することもあるみたいです。
もちろん手術となると、猫への負担が大きいので、獣医さんとよく相談した上で、手術を検討することになるでしょう。
ミーちゃんのその後…
参考までに、ミーちゃんのその後をご紹介したいと思います。
動物病院からの帰宅後
治療を終えて帰宅したミーちゃんは、わりと元気な様子。
治療をする前はずーっと静かに寝ていたのに、治療後はお尻が気になるのか、けっこう歩き回ってました。
軟膏がポタポタ漏れだす
ちょっと困ったのが、空っぽになった肛門嚢に注入された軟膏がポタポタ漏れること。
とうぜん穴があいたままなので、軟膏が漏れてきます。
血と混じっていたので、ミーちゃんが歩いたところは、一定間隔で赤い液体が落ちていたのでわかりますね。
ニオイはないですが、シミになるといけないので、濡れ雑巾で床をふきふきしてあげました。
座るときに右足が前に出るようになった
治療から1週間くらいで元の生活に戻っていきましたが、変化が1つだけあります。
写真のとおりで、なぜか治療した右側の後ろ足だけが、前足と並んで前に出るようになってしまいました。今でも気になるのかな?
とはいえ、本人はそこまで苦痛でもないようなので、とりあえずは様子見ですね。
カサブタみたいなのが取れる
破裂寸前にまでなると、破れの前兆みたいな傷口があって、そこがカサブタみたいになってます。
獣医さんがいうには「ここの細胞はもう死んでいるので、そのうちはがれ落ちることがあります。取れてもそれは大丈夫なので、気にしないでください。」
獣医さんのいうとおり、確かに剥がれ落ちていました。
どこに落としたのかは分かりませんが、3日後くらいにお尻を見てみたら、カサブタがなくなってました。
みなさまも飼っている猫のお尻を観察して、腫れていたり、抱きかかえて痛がるそぶりを見せるようでしたら、注意してあげてください。
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